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新型出生前検査 拡大へ

妊婦の血液でダウン症など胎児の染色体の病気を高い精度で調べる新型出生前検査について、日本産科婦人科学会(日産婦)は、臨床研究として一部の大学病院などに実施施設を限ってきた体制を改め、一般診療として広く提供する方針を固めた。妊婦の年齢制限緩和や対象疾患の拡大についても、段階的に検討する。結果次第で人工妊娠中絶につながる検査のため、急拡大に慎重な他学会から異論も予想される。

新型出生前検査:妊婦の血液で胎児の三つの病気の可能性を調べる。陰性なら99%の確率で病気はない。陽性の場合、結果を確定させる羊水検査が必要になる。研究組織によると、昨年9月までの4年半で5万1139件行われ、陽性と確定した人の97%に当たる654人が人工妊娠中絶を選んだ。費用は20万円程度。

1月29日読売新聞朝刊より一部抜粋

「良い知らせと悪い知らせがあるんだけれど、、、、」という小話がある。

このニュースを良い知らせと捉えた人たちはたくさんいるだろう。
今までは限られた施設でしか検査を受けられなかったのが、一般診療で近場の施設で受けられるようになればありがたい。

私はこのニュースを聞いて、2人の人物を思い起こした。(2016年8月2日の記事、「命の選別」)
一人目は茨城県で以前教育委員をしていた長谷川さん。
この方は、「茨城県では(障碍児を)減らしていける方向になったらいい。」と発言し、これが原因で教育委員を辞任したという。
彼女の願った事が茨城県を越え、全国へと広がろうとしている。

二人目は相模原障害者施設殺傷事件の植松容疑者。
殺人と中絶は同列ではない。
反省のかけらもない植松被告と、中絶した子供の事を一生忘れないであろうご家族とは全く違う。
しかし、違うと知りつつあの事件を思い出してしまった。

現実に障碍者を家族に持っている人たちにとっては、このニュースは悪いというか、とても悲しいニュースである。

私は夏休みの、ある一コマを思い出した。
恒例となっている支援級時代のお友達とのお出掛け。
ダウン症のA君が、お昼ご飯でハンバーグを食べている光景である。
筋力の弱いA君は飲み込む時にちょっと大変そう。
でも周りのみんなと一緒に、楽しそうに、一口づつ確実に一生懸命食べていた。
その姿を思い出し、改めてA君に対する愛おしい気持ちが溢れてくる。
これも障碍児である次男がいてくれたおかげである。
科学や技術の進歩も大事だが、それだけでは理想郷は作れない。

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センター試験にチャレンジ 3

おそらくその日曜日は、地獄の日曜日として次男の記憶の中に刻み込まれるだろう。

お昼ご飯が済んで、絶好調の夫は「他の科目も解いてみようかな?」と言いつつ新聞を広げた。
ギョッとする私と次男。
しばらくの沈黙の後、夫は静かに新聞をたたんだ。
「ダメだ。全然分かんない。」
次男はさぞかしホッとしただろう。

しかし、試練はこれからであった。
問題の解き直しをするという夫の決意は固かった。
「もう嫌だ~~。」と音を上げる次男に対し、「パパだって間違えた所はあるんだ。間違えたままじゃ気持ち悪いだろう?」と説き伏せ、再び椅子に座らせた。

途中で私は買い物に出た。
夕飯の材料と、あるものを買って家に戻ると二人はまだ解き直しの最中であった。

「どこまでいったの?」と聞くと、「ちょうど半分だよ。」と夫が答えた。
次男はもう限界にきているようであった。

「そう、じゃあちょっと一息つかない?」
私が提案すると、次男はすかさず「うん!喉乾いた。トイレにも行ってくる!」とサッと席を立った。
夫もさすがに疲れたのか「ああ、何か飲もうか。」と鉛筆を置いた。

夫の言う「何か」は、おそらくコーヒーか紅茶の事であっただろう。
しかし私がスーパーの袋から取り出したのは、夫の大好物、ビールであった。

「おお!」
缶ビールを見た夫の表情が変わった。

「二人とも疲れたでしょう?今日はもうこれくらいにしたら?明日は会社も学校もあるんだから。」
夫は「そうだな。今日はもうやめるか。」と素直に同意した。
缶ビールは次男の救世主となったのである。

こうして日曜日は終わった。
しかし、この後遺症は早速月曜日に現れた。

「昨日勉強し過ぎたよ。朝から疲れてる、、、」
愚痴をこぼす次男をやっとの思いで登校させる。

学校から帰って来たと思ったら、「学校の宿題だけで精一杯。塾の宿題は出来ない。」とまた愚痴る。
精神的に不安定になっている様子であった。

次男にはセンター試験の問題は負荷が大きすぎたのだ。
昨年の3月頃に見られた「過剰負荷」(私の造語)であろうか。
ここでさらに負荷を掛けるのはよくない、と思った私は穏やかに言った。
「昨日は本当に頑張ったね。塾の宿題は無理しなくていいよ。先生にも言っておくから。」

その一言で、次男の表情はパァーっと明るくなった。

夫には「ママは本当に甘いんだから!」と叱られそうだ。
でも、笑顔に変わるものは無い。

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センター試験にチャレンジ 2

日曜日の午前中、我が家のダイニングには緊張が漂っていた。

私は家事をしながら二人の様子を伺っていた。
通りすがりにチラッと二人の解答用紙を見る。

夫の解答用紙には空欄もあったが、どんどん先の問題へと進んでいた。
次男はというと、最初はそれなりに進んでいたのだが、半分も行かないうちに鉛筆が止まってしまった。

(分からない問題は飛ばして取りあえず先に進め!)
私は次男に念を送ったが無駄だった。
学校のテストの時にもそう伝えてあり出来ていたはずなのに、忘れてしまったのだろうか。

やがて、次男の様子がおかしくなって来た。
集中力が途切れてしまったのだろう。
手をヒラヒラさせたり頭を振る自閉症特有の動作が見られる様になった。

夫は最後まで集中力を持続させ、空欄だった問題もすべて埋めて試験を終了させた。
次男の解答用紙は半分以降は空欄のままであった。

次は採点。
夫は「うん、まあまあだったな。」とご満悦であった。
次男の点数は、もう、何とも情けないというか気の毒というか、、、
次男は英検3級を取得している。
大学受験英語は、英検3級ごときでは太刀打ちできない事が良く分かった。

さぞかしがっかりしただろう、と次男を見れば、当人は「あ~長かったなあ。やっと終わったよ~。お腹空いた~。」と思いっきり伸びをしている。
この点数で落ち込まないとは大物である。
いや、内心は落ち込んでいるのか。

私は出来上がったお昼ご飯を運びながら二人に「お疲れさま。」と声を掛けた。

「よし、お昼ご飯を食べたら復習するぞ!」
もちろんこれは夫の言葉である。
私は、今ではすっかり大人しい穏やかなおばあちゃんになった義母が、かつてはモーレツな教育ママであった事を思い出した。
夫はその血を受け継いでいるのだ。

次男は(え~~まだやるの?信じられないよ!)と言うように夫を見つめた。

3に続く。

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センター試験にチャレンジ 1

13,14日はセンター試験であった。
受験生のみんなは力を出し切れただろうか。

14日の新聞を見た夫は言った。
「センターの問題が入っている。みんなで英語を解いてみよう!」
相変わらずハイテンションである。

夫は英語を使う仕事ではないのだが、2年に一度くらい海外出張がある。
真面目な彼はコツコツと英語の勉強も怠らず、自信がある様であった。

「ほら!ママも!」
うながされて渋々新聞を見る。
問題を見た私はショックを受けた。
「え???」
何がショックだったかというと、、、

「見えない、、、、」

そう、字が小さすぎて問題が見えないのだ。
新聞は普通に読んでいたのに、、、

夫もびっくりしたようだった。

肩を落とす私を気の毒そうに見ながら、脱走しようとしている次男に言い始めた。
「あのな、お前は何かというとママを頼るけれど、もうママは目が見えないんだよ。親はどんどん年を取っていくんだ。いつまでも親を頼るな。一人で困難に立ち向かえ!」

なんだか随分ドラマチックになってしまった。

不服そうだった次男も危機感を感じたのか、観念したのか、ダイニングテーブルに戻って夫と一緒に問題を解き始めた。

2に続く。

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未来が見えない

次男の志望校合格のために、いろいろとお膳立てをしてくれた夫。
残念ながら、夫の涙ぐましい努力は実っていない。
次男への説得は穏やかながらも真剣で、聞いている私は感心したのだが、次男の心には届いていない。

では全く勉強しないのか?と言うとそうでもない。
冬休みの間、学校の宿題と塾の宿題は完璧に仕上げたのである。
でも、いわゆる受験勉強には手を付けようとしない。
夏休みも同じであった。

発達障碍には、先を見通す力が弱いという特性がある。
次男の様子を見ていると、とても納得する。
次男にとって存在する時間は、「過去」「現在」「ちょっと先(せいぜい1か月くらい?)の未来」であって、数か月後、数年後の未来など考えもつかないのだろう。

その考えはある意味正しい。
確実に未来が存在する保証など、何も無いのだから。
しかしこの社会で生きていく為には、たとえ不確実であっても未来に向けての努力をし続けていかなければならないのも事実である。

次男の特性を考慮しつつ、これからも地道に説得していくしかないのだろう。

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本気だぜ

新しい年が始まった。
冬休みが終わって、ちょっと学校へ行ったと思ったらまた三連休。
気分的には今日からが本格始動といったところか。

話はさかのぼって昨年の年末。
彼は本気を出し始めた。

第一志望の受験科目には国語(現代文)がある。
しかし現在の読解力は絶望的に弱い。
それを向上させるため、大きな本屋さんに行って現代文の参考書を買ってきた。

「とても良い本を見つけたよ。」
自慢気に見せるその本を手に取ってみれば、なるほど、入門編だけあって大変分かりやすく解説されている。

「まずこれを毎日一問づつ解いて問題に慣れる。これが終わったら基礎編、中級編へと進み、受験までには上級編をやり遂げるんだ!!!もちろん数学も毎日やる!これから学校が休みの日は一日6時間勉強するぞ!!!」

おお、素晴らしい計画である。
本当に達成出来たら合格間違いなしだろう。

しかし、この完璧と思える計画には欠陥があった。
それも致命的な欠陥である。

目を輝かせ、力強く宣言するのは、、、

そう、次男ではなく夫であった。

肝心の次男は?と見れば、久しぶりに帰って来た長男がコンピューターでゲームをしているのを熱心に嬉しそうに見ている。

結局、冬休み中の勉強時間は一日1時間くらいであっただろう。
夫が粘り強く勉強をさせようとしても、ウネウネと言い訳をして取り掛かろうとしない。
最後には夫がかわいそうになって来た。
夫の熱意が次男に届く日が来るのだろうか。

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アウイナイト

Author:アウイナイト
ユニークな子供達のおかげで、今まで見えなかった世界が見えてきました。
内気な私ですが、前向きに生きていきます。

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