4回目は「生きづらい社会」に不安
妊婦の血液から胎児の染色体を調べる新型出生前検査。
染色体に異常のある13トリソミー、18トリソミー、21トリソミー(ダウン症)の3種類を測定する。
ダウン症以外は、生まれても1年以内の短命の可能性が高い。
2013年4月から6万人以上が検査を受け、「陽性」で診断が確定した約890人の9割が中絶した。
日本ダウン症症協会は見解を発表し、「ダウン症の人や家族が生きづらさを感じるとしたら、社会的障壁による」と指摘した。
埼玉県立小児医療センターダウン症症候群総合支援外来では、子どもが生後6か月未満から半年間、体の発達の特徴や食事の注意点、利用できる福祉制度について子連れで学ぶ。
家族同士の交流会もある。
埼玉県北部に住むBさんは、ここで仲間が出来てサークルや療育施設の情報も教わった。
3歳の長女はダンスや音楽が大好き。
「成長を見るのが毎日楽しい。私の所に来てくれてありがとう」
5回目は「一貫した母子支援が必要」
13トリソミーで思い障害を持つ長男に続き2人目を妊娠した杉井さんは、「検査を受けたい」と看護師の宮田さんに相談した。
「次の子も障害があるかもしれない。責任もって育てるためにも早く知っておきたい」
検査の結果問題は無く、健康な女の子を出産した。
宮田さんは、精神看護専門の看護師である。(大阪医科大学病院)
杉井さんの事を長男がお腹の中にいる頃から支えてきた。
一般には、妊娠から出産までは産婦人科医や助産師、その後は新生児科や小児科にバトンタッチするが、専門性に応じた役割分担が診療の一貫性を滞らせることもある。
「母子にきめ細かい支援をするには妊娠から子育てまで一連の情報を医療スタッフが共有することが大切。ただサポート体制が整っている医療機関は少ない」と信州大学の中込さん(看護学)は話す。
新型出生前検査は、羊水検査などの従来の方法より胎児の病気が調べやすい。
母子のサポートが追い付かないまま、そのさらなる広がりが予想される。
シリーズ終了。
感想はまた後日に。
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